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重回帰分析とは?
こんにちは。伊川(@naonaoke)です。
前回は、回帰分析について説明しました。
異なった数値に関して、どのような関係があるのかをグラフや、関数を使って説明しました。
その関係とは、発信数と獲得件数を使いました。
では、発信数とは、電話を架けた回数です。
しかし、お客様と話をして、獲得するのは人間です。
人間には、様々なパーソナリティがあり、そのパーソナリティが、獲得件数とどのような関係があるのか?
これを、重回帰分析を使って分析をしたいと思います。
Xを説明変数
Yを目的変数
前回は、上のように説明しました。
今回は、説明変数、つまり、Xの要素を増やしていきます。
その場合に、獲得件数には、どのような関係があるのでしょうか?
つまり、人生の経験値、人間の年齢は、獲得件数にどのように影響があるのかを分析します。
このブログはこんな人にお勧め
- Excelで、統計学を勉強している人
- Excelで、統計関数を勉強している人
- Excelで、回帰分析、重回帰分析を勉強している人
このブログを、読み終わるころには・・・・
Excelは、データ分析ツールもありますが、重回帰分析の手法を覚えてください。計算は、関数でカンタンに導けますが、重回帰分析が、どのような手法なのかということを理解できるようになります。
重回帰分析
重回帰分析は、様々な要素を組み込めます。
Excelは、律儀なので、カンタンに計算をしてくれます。
しかし、どのような要素を組み込むかまでは、Excelは判定してくれません。
人間のさじ加減です。
しかし、その要素が、本当に関連性があるのかという疑問も、Excelが解決してくれます。
統計は、適切な数値を使ってこそ意味があります。
それでは、獲得件数に、人生経験がどのような影響があるのかを検証していきます。
重回帰分析 作業手順 その1 データベース確認
今回、新たに年齢を加えました。
重回帰分析をするためです。
上の表を見る感じでは、必ずしも、人生経験、つまり、年齢が高い人が、獲得件数が多いというわけではないようです。
重回帰分析 作業手順 その2 LINEST関数
LINEST関数(ライン・エスティメーション関数)を使って重回帰分析用の表を作成します。
今まで、いろんな関数を見ましたけど、LINEST関数は、珍しい関数です。
使い方も珍しいです。
すべてのセルに、同じ数式が入ります。
これは、配列式になっています。
配列式を利用しないと反応しません。
そうすると、単回帰分析の時は下記の通りの式です。
重回帰分析の数式は、下記の通りです。
では計算してみましょう。
獲得数= 0.002581228×1500+(-0.756735364)×21+42.00436449
獲得は、29.98476455となります
重回帰分析 作業手順 その3 本当に意味のある分析なのか?
重回帰分析で最も悩ましいのが、多重共線性といわれるものです。
多重共線性とは、説明変数(ここでは発信数と年齢)の中に、相関係数が高い組み合わせがあることをいい、
もし発信数と年齢の相関係数が極めて高かったら、説明変数として両方を使う必要がなく、
連立方程式を解くのに式が足りないというような事態になってしまうのです。
連立方程式は変数と同じ数だけ独立した式がないと解けないということを中学生の時に習ったと思いますが、同じような現象です。
このように年齢と発信数の関係を、単回帰分析で求めておきます。
この表を利用して、多重共線性の目安となる、分散拡大要因(VIF)を求めます。
重回帰分析 作業手順 その4 MINVERSE関数
MINVERSE関数(マトリックス・インバース)を使います。
先ほど求めた、単回帰分析を、MINVERSE関数で分析します。
このような結果になりました。
重回帰分析 作業手順 その5 分散拡大要因とトレランス
トレランスという難しい言葉が出てきました。
トレランスとは、独立変数間(この場合は、発信数と年齢)の多重共線性を検出するための指標の1つです。
上の図のような計算をします。
同じ青枠、赤枠を比較します。
トレランスの値が小さいということになります。
また、分散拡大要因は、10よりも小さいので、発信数と年齢で、重回帰分析をするということは、適切であるということになります。
※分散拡大要因は、一般的に10以下を基準とします。
ここがポイント
重回帰分析を勉強したときは、難しいと思いました。ただ、言葉、用語が難しいので、混乱しました。
しかし、今回紹介した手順を覚えることが重要です。
この手順を理解して、繰り返し行うことです。
そうすれば、自然に理解することができます。
まとめ
前回、統計を使って、ジャパンカップを予想しました。
本当にやりたかったことは、競馬を分析することであり、楽な予想をすることではありません。
予想のロジックは、VBAで、できます。
あとは、分析方法を関数でも、VBAでも、自動化すれば、データベースが作成できます。
さらに、そのデータベースには、新たな、必勝法が眠っていると思います。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
わからない事を延々と考えるのは、無駄です。
- なんで作動かないの?
- もうやだ!VBAなんか嫌い!
- ネットで調べても情報がない!
必ず作動するコードが、ここにあります。